トイレ掃除のとき、特に厄介に感じるのはトイレのふちや便座の裏についた黄色い尿石ではないでしょうか?
ブラシで擦ってもなかなか落ちず、一度ついてしまうと綺麗に掃除するのは少々手間がかかります。
この記事では、そんな頑固な汚れである尿石を綺麗に掃除する方法を解説していきます。
トイレの黄ばみや尿石の原因
尿石は、尿に含まれるリン酸カルシウムやタンパク質、尿素などの成分が便器の表面で高質化したものです。
尿石ができると、そこに尿石を栄養とする雑菌が付着して増殖することがあります。
すると尿石がどんどん蓄積し、頑固な汚れになっていきます。
こうなると、尿石を取り除くのが非常に難しくなるので、早めに除去することが大切です。
また、トイレの黄ばみも、尿石の一種です。
トイレの水は場所によって水の流れの強さが異なるため、水流が弱いところで尿石は形成されやすくなります。
特に、便器の縁や便座カバーの裏に飛び散った尿は洗い流されずに残るので、トイレのなかでも尿石や黄ばみが発生しやすい場所です。
トイレの尿石を放置すると起こること
尿石があるだけでも不衛生ですが、放置してしまうと臭いの発生源となり、トイレの寿命を縮めることにつながります。
尿石によって引き起こされるトラブルをそれぞれ解説します。
臭いの原因となる
尿石ができたばかりの頃は、あまり臭いは気にならないかもしれません。
しかし、尿に含まれるアンモニアや尿石に付着する雑菌が徐々に蓄積されていくと、トイレの扉越しにもわかるくらい刺激的な臭いを発生させる原因になります。
トイレの寿命を縮める
尿石が固着して頑固な汚れになると、掃除するために強力な洗剤が必要になり、自ずと磨く力も強くなります。
掃除の過程で便器が傷つくリスクが高まり、寿命を縮める恐れがあります。
通常、トイレの耐用年数は15年とされていますが、尿石を放置するとトイレを早めに交換しなければいけなくなるかもしれません。
トイレの尿石を予防する方法
掃除の説明に入る前に、尿石を溜めないコツについて解説していきます。
座って用を足す
男性の場合、立って用を足すこともあるかもしれませんが、尿が飛び散ってしまい、トイレの内側だけではなく床や壁にも尿石が付着する原因になります。
座って用を足すことで、尿が飛び散るのを防ぎ掃除の手間が少なくなります。
ふたを閉めて水を流す
水を流すとき、ふたを開けて流すと汚れが床や壁に付着する可能性があります。
ふたを閉めて流せば、汚れがつくのはふたの裏側だけになるので掃除も簡単になります。
簡単な掃除をこまめに行う
尿石は溜まると掃除が大変になるので、普段からこまめな掃除の習慣を身につけておけば、尿石の蓄積を防ぐことができます。
家族構成にもよりますが、週に最低2回くらいの頻度でこまめな掃除を心がけましょう。
トイレの尿石の掃除のポイント
トイレの尿石を掃除する前に、注意しなければいけないポイントがあります。
洗剤を混ぜない
トイレの尿石は、酸性洗剤を使って落とします。
このとき、塩素系の洗剤と混ぜてしまうと有害なガスを発生させてしまい非常に危険です。
酸性洗剤を使うときは、絶対に他の洗剤と混ぜないようにし、万一のときに備えて換気をしながら掃除を行いましょう。
メーカーの説明書を確認する
メーカーによって使用できる洗剤や道具が異なります。
使用できない洗剤を使ってしまうと、トイレの寿命を早め、故障につながることもあります。
Panasonic |
|
LIXIL | 次の洗剤と道具は使用できない
|
酸性洗剤が使えない素材をチェック
メーカーにかかわらず、酸性洗剤は大理石と金属には使用できません。
大理石は酸により腐食し、金属は酸化によってさびる可能性があります。
トイレの尿石の掃除方法
トイレの尿石を落とす代表的な方法のそれぞれの特徴と、具体的な手順を紹介します。
酸性洗剤を使った掃除方法
できたばかりの尿石の掃除には酸性洗剤を使います。
使い勝手が良いので、日々のお手入れに向いている方法です。
ただし、時間のたった尿石は取れません。また、他の洗剤と混ぜて使わないようにしましょう。
必要なもの
- 酸性洗剤
- ゴム手袋
- トイレブラシ
- トイレットペーパー
掃除の手順
- ゴム手袋をつけ、酸性洗剤を気になる尿石に噴射します。
- 2〜3分放置して、トイレブラシでこすります。
- 便器の内部は水で流し、水が届かない部分はトイレットペーパーを使って拭き取ります。
クエン酸と重曹を使った掃除方法
敏感肌やお子さんのいる家庭で、酸性洗剤を使うのに抵抗がある場合はクエン酸と重曹を使って尿石を落とします。
また、トイレの嫌な臭いの原因でもあるアンモニア臭の軽減もできます。
必要なもの
- クエン酸粉末小さじ1
- 重曹適量
- 空のスプレーボトル
- 水100ml
- トイレブラシ
- ゴム手袋
掃除の手順
- 空のスプレーボトルのなかに水とクエン酸をいれ混ぜます。量が足りない場合は、水100mlに対してクエン酸を小さじ1ずつ追加します。
- 尿石が気になる部分に吹きかけます。
- 3分ほど放置して上から重曹をかけます。
- 30分から1時間放置して、水で流し尿石が落ちていたら完了です。
便器の裏など重曹をかけにくい場所では、重曹に少量の水を加え、ペースト状にしてトイレットペーパーでつけると簡単です。
尿石除去剤を使った掃除方法
頑固な尿石を落とすには、尿石除去剤を使用します。主な成分に塩酸を含んでおり、尿石を溶かして除去できます。
ただし、強力な洗剤なので、皮膚や粘膜に触れないようにしながら、絶対に他の洗剤と混ぜないようにして使います。
また、尿石除去剤は商品によって使用方法が異なり、汚れに直接塗布するジェルタイプのものや、ブラシで擦る液体タイプのもの、使用後に中和剤を使って流すものもあります。
使用の際は、説明書を確認して正しい手順で行いましょう。
また、尿石除去剤は金属パーツや配管にダメージを与えてしまうリスクもあるので、どうしても尿石が除去できない場合に使用しましょう。
サンドペーパーで落とす方法
尿石は、硬い石のような汚れなのでサンドペーパーなどのやすりを使っても落とすことができます。
ただし、尿石だけではなく便器本体を傷つけてしまう可能性が高く、専門的な技術が必要であるため、基本的には清掃業者が行う手段です。
やすりが必要になる前に、こまめに取り除いておくことが大切です。
まとめ
トイレについた頑固な尿石を落とす方法について解説してきました。
尿石は、尿に含まれる成分の洗い残しが固着することによってできる汚れです。
雑菌の温床にもなることから、放置してしまうと臭いの発生原因にもなり、トイレの清潔さを大きく損なってしまいます。
また、尿石の掃除において最も大切なことは、定期的な掃除を行いこまめに除去することです。
長期間蓄積すると、強力な洗剤が必要になったり、削り落としたりする必要があり、トイレや配管を傷めるリスクが高まります。
最低でも週に2〜3回の掃除を行い、汚れや尿石が溜まらないように注意しましょう。
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