お風呂には、天井や壁の素材にモルタルが使われていることがあります。
タイルや樹脂など他の素材とやや性質が異なるので、モルタルで作られているお風呂を掃除する際にはいくつか注意点もあります。
この記事では、モルタルで作られているお風呂の天井の掃除の方法を解説し、万一カビがついてしまったときの対処方法やカビを予防する方法について紹介しています。
お風呂のモルタル天井の特徴
モルタルはセメントと砂利と水を合わせて作られた、壁や天井に使われる塗材です。
練ったばかりのモルタルは、柔らかいペースト状で薄く伸ばして壁面に塗って使用します。
コンクリートの打ちっぱなしのような美しい仕上がりで、お風呂の美観がよくなり、さらには蓄熱性が高くお風呂の熱を外に逃がさないということがモルタルのメリットです。
また、扱いやすくコストも低いので、住宅の外壁にも利用されています。
一方でモルタルには、乾燥するとひび割れをおこし、水漏れが起こりやすいというデメリットもあります。
そのため、近年はタイルや樹脂、プラスチックなどが使われることが多くなり、それらの素材とモルタルでは掃除の方法が異なります。
お風呂のモルタル天井にカビができる原因
お風呂の天井は素材にかかわらず、カビが発生しやすいポイントです。
常に水があり、閉じられた空間であるお風呂は高温多湿な環境になりやすく、カビにとっては絶好の繁殖ポイントです。
カビは、気温が20〜35℃、湿度が70%以上の環境で発生し、お風呂はその条件にピッタリ当てはまります。
お風呂で使用したお湯は湯気となって一度天井に溜まり、天井で結露することで水滴になります。
そのため、天井はお風呂でも水滴が付着しやすい場所で、湿度も高くなりがちです。
また、カビは一カ所に発生すると、周囲にカビの胞子をばらまいて他の場所でも増えようとします。
天井の一部分にできたカビを放置すると、お風呂全体に胞子がまかれ、壁やゴムのシーリング部分、洗濯物をお風呂で乾かしている場合は衣類にも発生する可能性があります。
そのため、カビを見つけたら早めに除去する必要があります。
お風呂のモルタル天井の掃除の注意点
お風呂の天井にカビが生えているのを見つけたら、なるべく早めに除去することが大切です。
ただ、モルタルの表面には細かい凹凸があり隙間に入り込んでしまったカビを取るのは少々コツが必要です。
しかし、このときに高圧洗浄機などで強い水圧を当てて掃除してしまうと、モルタルの表面を傷つける可能性があります。
傷がつくと、その部分からひび割れを起こしてしまい、内部にカビが発生しやすくなり、また除去も難しくなってしまいます。
モルタルを使用しているお風呂では、基本的に高圧洗浄機や高い水圧での掃除は行わないよう注意が必要です。
お風呂のモルタル天井に必要な掃除道具
掃除を始める前に、必要な道具をそろえておきましょう。
- フロアワイパー
- 柄付きスポンジ
- スプレータイプの塩素系漂白剤
- ゴム手袋
- ゴーグル
- マスク
お風呂の天井についたカビを掃除する際には、塩素系漂白剤を使用します。
塩素系漂白剤は、衣類につくと色落ちしてしまうので、汚れてもいい服で掃除を行います。また、ポリエステル製の服はある程度色落ちを防いでくれるので、天井掃除の際におすすめです。
また、刺激が強いので皮膚や目に触れないようにゴム手袋やゴーグル、マスクを着用し、換気をしながら掃除を行います。
酸性洗剤と混ざると有毒な塩素ガスを発生させるので、絶対に他の洗剤と混ざらないように作業を行います。
お風呂のモルタル天井のカビを掃除する方法
お風呂のモルタル天井にカビがついてしまった場合の掃除方法を解説します。
また、お風呂の天井は普段なかなか目を凝らして見ることがないので、カビが発生しても気がつかないことも考えられます。
週に1回は注意深く観察して、カビが発生していたらすぐに掃除を行います。
手順
- 窓をあけ換気扇を回し、ゴム手袋、マスク、ゴーグルを着用します。
- 天井に残った水分を、フロアワイパーを使って拭き取ります。フロアワイパーは、先端のペーパーが交換できるタイプのものがおすすめです。
- 柄付きスポンジに塩素系漂白剤をスプレーし、天井のカビが気になる部分にスタンプのように押して塗布します。塗布する部分の真下で作業すると、洗剤が落ちてくる可能性があるので、斜め下に立って作業を行います。
- 洗剤の説明書に指示されている時間だけ放置します。メーカーによって違いがありますが、15〜30分ほどです。
- 乾いたフロアワイパーで、天井についた洗剤を拭き取ります。
- 最後にシャワーで流し、しばらく乾燥させて完了です。
お風呂のモルタル天井のカビを予防する方法
お風呂のモルタル天井に発生したカビは除去できるものの、モルタルにひびが入っていると内部にまでカビが侵入していることもあります。
そうなってしまうと、完全にカビを取り除くことは難しくなるので、可能であればカビが発生する前に予防しておいた方が良いでしょう。
ここでは、カビを予防する方法を紹介します。
定期的に掃除する
カビが発生する前に、定期的に掃除をすることで天井を清潔に保っておくことをおすすめします。
カビが生えると強力な洗剤を使う必要がありますが、定期的な掃除はお風呂用の中性洗剤で行います。
- 柄付きスポンジにお風呂用の中性洗剤をつけます。
- 天井全体を磨き、ぬるめのシャワーで流します。
- 乾いたフロアワイパーで水気をとり、しばらく換気して完了です。
カビは早ければ数週間から数カ月で発生すると言われているので、2週間に1回くらいを目安に行うと十分な予防が可能です。
刺激の少ない中性洗剤を使用しますが、気になるのであれば手袋やゴーグルをして作業を行いましょう。
天井の水気をとる
お風呂を使ったあとは、天井についた水滴をフロアワイパーで除去しておきましょう。
水滴が残っていると、天井の湿度が高くなりカビが発生しやすくなります。また、モルタルがひび割れている場合は、早めに取り除かないと内部に水が入り込み見えない場所でカビが繁殖してしまいます。
天井の内部でカビが発生してしまうと、表面のカビを取り除いてもすぐに新たなカビが発生してしまうので、注意が必要です。
水滴を拭き取ったあとは、換気をしておくとさらに安心です。
防カビ剤の使用
天井の掃除をおこなったあとは、防カビ剤を使用することでおよそ2カ月の間カビの発生を抑えることができます。
また、防カビ剤には、置き型と煙剤の2種類あります。もう一つ、スプレータイプの防カビ剤もありますが、液剤が落ちてくるので天井には向いていません。
置き型も煙剤も、効果にはあまり違いがありませんが、メーカーによって効果のある期間が異なります。
効果がなくなるタイミングで掃除をし、同時に防カビ剤を交換することで、長期間に渡って天井の清潔さを保てるでしょう。
まとめ
お風呂の天井がモルタルで作られている場合は、なるべくこまめにチェックしておきましょう。
モルタルは綺麗な見た目ですが、ひび割れることもあり耐水性があまり良くありません。
ひびの内部でカビが発生してしまうと、根本的な除去が難しくなってしまうので、定期的な掃除をおこなったり、防カビ剤を利用して普段からカビの発生を抑える工夫が大切です。
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