玄関わきにある下駄箱は、知らないうちに汚れがたまっている場所のひとつです。
掃除をせずに放置してしまうと、カビや臭いの原因になります。また、玄関についたカビが靴や下駄箱内に収納しているものに、移ることも考えられます。
そこでこの記事では、下駄箱の掃除方法と、カビが発生したときの対処法、靴にカビが移ってしまったときの除去の方法について解説していきます。
下駄箱の掃除は定期的に
下駄箱はその役割上、湿気と汚れをためやすい家具です。
外で履いた靴には、どろや砂などの汚れが付着しており、足から出た汗も吸い込んでいます。使用した靴をそのまま下駄箱にしまうことで、下駄箱には少しずつ汚れが蓄積して行くのです。
汚れが蓄積すると、それを栄養としてカビが繁殖してしまいます。
気がついたときには、下駄箱内がカビだらけ、ということも起こりかねません。
そのため、靴箱は最低でも週に1回の換気と、半年に一度しっかりとした掃除を行う必要があります。
特に梅雨時期は、靴箱の中に湿気がたまりやすいので、梅雨に入る前に一度掃除を行い、頻繁に換気することをおすすめします。
下駄箱にカビが発生する原因
下駄箱はカビにとって繁殖するのに最適な環境です。
カビは湿度が60%以上、気温が0〜40℃の間の環境で発生し、特に気温が25〜28℃ほどになると活発になり、泥やホコリに含まれる有機物を取り込んで成長していきます。
下駄箱は普段、靴をしまうために閉めっぱなしにしています。
そのため、空気が循環せずに湿気がとどまりやすい環境になっています。
さらに、雨でぬれた靴や汗を吸った靴をそのまま下駄箱にしまうと、靴からの湿気が下駄箱内の湿度を上昇させます。
また、玄関にある下駄箱は、屋外の天気に影響を受けます。
雨の日や湿度が高い日には、湿った靴や傘が玄関に持ち込まれるので、靴箱の湿度も上昇してしまいます。
季節によっては、玄関のドアが屋内と屋外の温度差によって結露することもあり、湿度が上昇する原因となります。
さらに、靴に付着した土やホコリには、多くの微生物やカビが含まれています。
使用したあと、靴をそのまま下駄箱に収納することで、カビの胞子とカビの栄養源が持ち込まれ、時期によってはあっという間にカビが繁殖してしまいます。
下駄箱に発生したカビの掃除方法
下駄箱内はカビが発生しやすい環境なので、注意していてもついてしまうことがあります。
しかし、カビは発生しても取り除くことも可能です。
ここでは、カビの発生が軽度な場合と、ひどい場合の2パターンの掃除方法について解説していきます。
また、カビを吸い込んでしまうと、アレルギー反応や体調不良を起こすことも考えられるので、ゴム手袋とマスクをして掃除を行いましょう。
軽度な場合
カビに気がつくのが早く、軽度なカビであった場合は、アルコール消毒液でカビを取り除けることがあります。
必要なもの
- 消毒用エタノール
- ぞうきん
- ハンディタイプのほうき
手順
- まずは、下駄箱内にある靴をすべて取り出しましょう。取り外せるタイプであれば、棚板も取り外します。掃除のついでに、普段湿度をためがちな靴と棚板を乾燥させておきましょう。
- 次にほうきを使って下駄箱の土汚れやホコリを取り除きます。棚板に汚れがついている場合も落としておきましょう。
- 十分に汚れが取り除けたら、ぞうきんに消毒用エタノールを吹きかけて、下駄箱の中と棚板を除菌します。カビが発生している部分があれば、特に重点的に洗いましょう。
- 最後は、下駄箱を開けたままにして、しっかりと乾かします。乾燥に時間がかかる場合は、玄関の扉を少しだけ開けて、扇風機やサーキュレーターを使うと効率的です。
- 下駄箱内と棚板が完全に乾いたら、元の位置に戻して完了です。
この方法で、軽度なカビの除去が可能です。下駄箱がカビくさいと感じたときや、何もなくても半年に1回はこの掃除を行ってください。
また、アルコールを使うので、火元のない場所でしっかり換気をしながら作業しましょう。
できれば晴れた日に掃除することで、しっかりと乾燥させられます。
ただし、この掃除方法には、カビの色素を取り除く効果はありません。
カビの色素が広範囲に広がっている場合は、専用のカビ取り剤を使用して掃除しましょう。
ひどい場合
カビがたくさん発生してしまい、黒色や青色の色をつけてしまっているときは塩素系の漂白剤を使用して掃除します。
塩素系漂白剤は他の洗剤と混ぜると危険なので、単体で使うようにします。
また、手荒れを防止するために必ずゴム手袋をつけて行いましょう。
用意するもの
- 塩素系漂白剤
- ぞうきん2枚
- バケツ
- ハンディタイプのほうき
手順
- バケツに水を入れ、パッケージに書かれている指示に従って塩素系漂白剤をうすめます。
- 下駄箱内にある靴をすべて取り出します。取り外せるタイプであれば、棚板も取り外し、日当たりと風通しの良いところで乾燥させます。
- ほうきを使って、下駄箱と棚板についている汚れや泥を取り除きます。
- 塩素系漂白剤が入ったバケツにぞうきんを浸し、よく絞ってください。ぞうきんで下駄箱の内部と棚板を拭いていきます。
- カビの色が落ちてきたら、別のぞうきんを水にぬらし、下駄箱を拭いて塩素系漂白剤を落とします。
- 下駄箱を開けたままにして、下駄箱内をしっかり乾燥させます。晴れた日に換気をしながら行うと早めに乾燥します。
- 外に出していた靴や棚板が完全に乾いたら、元の位置に戻します。
塩素系漂白剤は頑固なカビに対して効果的ですが、使用前に取り扱い説明書をよく読み、安全に使用するようにしてください。
また、作業中は換気を行い、必ずマスクやゴム手袋を着用して行います。
暗がりで掃除を行うと、カビの色が落ちたかどうか判別が難しいので、昼の明るいうちからの掃除がおすすめです。
靴にカビが発生したときの掃除方法
もし靴にカビがついてしまった場合でも掃除が可能です。
スニーカーと革靴によって掃除方法が異なるので、それぞれチェックしていきましょう。
スニーカーのカビ取り
用意するもの
- 粉末の酸素系漂白剤
- バケツ
- ぬるま湯
- ブラシ
- ゴム手袋
手順
- 靴紐を外し、ブラシを使って土汚れを取り除きます。
- 製品の指示に従って、バケツにぬるま湯を入れて酸素系漂白剤を溶かします。
- ゴム手袋をつけ、溶かした酸素系漂白剤を入れたぬるま湯に靴を浸し、約2時間放置します。
- 2時間後、カビをブラシで磨き、靴を流水でよくすすぎます。
- 靴を脱水し、日当たりと風通しの良い場所で完全に乾かします。
革靴のカビ取り
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 布
- 革靴用クリーナー
- 革靴用クリーム
- はっ水スプレー
手順
- 靴紐がある場合は外して作業します。エタノールを含ませた布でカビを革靴から拭き取ります。ただ、皮によっては色落ちするので、目立たない場所で試してから行うことをおすすめします。
- 革靴が乾燥するまで陰干しします。
- 革靴用クリーナーを布に付けて、革靴全体を拭きます。
- 革のひび割れを防ぐために、革靴用クリームを塗ります。
- 最後にはっ水スプレーを吹きかけて乾いたら完了です。
下駄箱のカビの対策方法
下駄箱のカビは、普段の使用方法に注意することで予防も可能です。
カビを予防するために大事なポイントは3つです。
- 週に1回は下駄箱を開けて換気する
- ぬれた靴を下駄箱に入れない
- 防カビ剤や防湿剤を下駄箱に入れておく
カビを発生させないためには、下駄箱のなかに湿気と汚れをためないことが大切です。
まとめ
下駄箱に発生したカビの掃除方法について解説してきました。
下駄箱は、役割上家庭の中でもカビが発生しやすいポイントです。
発生すると、靴にも移ることがあるので、早めに取り除きましょう。
また、定期的な換気を行い、ぬれたり汚れたりした靴をそのまま入れないようにして、カビの発生を予防しましょう。
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