この数年、マイクロバブルが搭載された洗濯機や、洗濯機の給水部分に取り付ける専用のアタッチメントや小さなマイクロバブル発生ノズルが販売されています。マイクロバブルの超微細な気泡が繊維の隙間まで入り込んで、汚れをしっかりと落としてくれるのが特徴です。
しかし、この小さな泡が、一体どれだけの効果を発揮してくれるのか・・・。正直半信半疑なところがありませんか?
そこで、今回は本当にマイクロバブルの洗濯機は効果がないのか?について説明していきます。
ウルトラファインバブルの洗濯機とは?
まずは、ウルトラファインバブルやマイクロバブルの効果を利用した洗濯機にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
①ウルトラファインバブルやマイクロバブル発生装置を搭載した洗濯機
洗濯機内部でマイクロバブルを生成し、洗剤と混ぜ合わせて洗濯をすることで洗浄力を向上させる技術を搭載した洗濯機です。
②給水口に取り付ける小型のウルトラファインバブル発生装置
一度洗濯機の給水ホースを取り外した後に、ウルトラファインバブルの発生装置を取り付け、その後上部に給水ホースを再度取り付けます。
給水管に自分で取り付けられるので、今ご使用の洗濯機を簡単にウルトラファインバブルの洗濯機にできます。
③ウルトラファインバブルを発生させる洗濯ホースアタッチメント
水流をトルネードさせることで超微細な気泡であるナノバブルを大量に発生させます。こちらも取り付けは簡単で、一度既存の給水ホースを元口から取り外した後、ホース同士を連結させ、それらを元口に差し込んで取り付けます。
実はマイクロバブルは洗濯に効果的
ウルトラファインバブルやマイクロバブル、ナノバブルなどの微細な泡は、洗浄効果、保温効果、保湿効果が確認されていて、毎日の家事である洗濯やお掃除で効果を発揮します。超微細な泡が、洗濯物の繊維の隙間に入り込んで、汚れや臭いをしっかり落とします。通常の気泡と違って、上昇して破裂することがなく水の中に持続する力を持っているので、 洗濯中に微細な泡が破裂することなく、汚れに吸着し破壊してくれるのです。
さらに、マイクロバブルには、洗剤の洗浄成分(界面活性剤)の効果を高めたり、洗濯機のドラムの裏の汚れも落としてくれたりと、様々な力があるのです。
汚れが落ちやすい
マイクロバブルで洗濯すると、微細な泡が繊維の隙間に入り込んで、汚れを吸着します。これは、マイクロバブルがマイナスの電荷を帯びているので、プラスの電荷を帯びた微細な異物(汚濁物質など)に吸着するという特性によるものです。
油などの落ちにくい汚れを吸着し浮き上がらせる作用があるので、運動着やくつ下など、臭いのつきやすい衣類の洗濯にもおすすめです。臭いの元を分解するので、他の洗濯物と一緒に洗濯しても臭いがうつることがありません。
また、臭いの原因を除去するので、部屋干し特有の臭いがしにくいという効果があります。
さらに、マイクロバブルの効果により、落とした汚れの再付着を防ぎ、衣類の黒ずみも抑制する効果もあります。
節水が可能
マイクロバブルを利用することで、洗濯時のすすぎの回数を減らせるので、節水につながります。微細な泡が汚れを落とすだけでなく、洗濯物についた余分な洗剤も素早く取り除くので、すすぎが少なくて済むのです。
すすぎの回数を減らすことで衣類の劣化を防ぐことができ、さらには電気代の節約にもつながります。
洗濯機本体も綺麗にできる
ナノバブルやマイクロバブルは洗濯槽に蓄積したバイオフィルムの除去にも非常に効果的です。バイオフィルムとは、雑菌やカビなどが集まってできている汚れのことで、わざわざ洗濯しても洗濯槽に付着したバイオフィルムが衣類に付いてしまい、かえって汚してしまうこともあります。また、洗濯槽のバイオフィルムを落とすためには、専用の洗剤や溶剤を使う必要があり、余分に水も必要になります。
しかし、ナノバブルやマイクロバブルを利用すれば、洗濯と同時に洗濯槽の掃除が可能になるので、常に洗濯槽を清潔な状態に保つことができます。
マイクロバブルの洗濯機の効果がない原因
このように、様々な効果を発揮するマイクロバブルの洗濯機ですが、ある一定数の方は効果が見られず、中には騙されたと感じる方もいらっしゃるようです。
効果が見られない方の洗濯機の使い方は、何が原因となっているのでしょうか。
洗濯機に詰め込みすぎている
洗濯ものを詰め込みすぎると、水の流れが滞ってしまうので、汚れが落ちにくくなってしまいます。洗濯機は水の力で汚れを取りますので、水のない状態の洗濯機でいくら回しても汚れは落ちません。
洗濯には、水と洗濯物の量が大きく関係しているのです。特にたたき洗いにより汚れを落とす仕様のドラム式洗濯機は、元々洗浄力が弱く、さらに洗濯物を詰め込みすぎてしまうと洗浄力が大幅に落ちてしまいます。
洗濯機に表示されている約7倍を目安にし、たっぷりの水で洗濯してみましょう。例えば、7kg表示の洗濯機には5kgの洗濯物が限界で、45リットルの水で洗い1回+すすぎ2回よりも、55リットルの水で洗い1回+すすぎ1回のほうが効果的で、節水になり、洗濯時間も短縮できます。
蛇口を全開にしていない
蛇口から少しずつ水を出した方が節水になると、蛇口を少ししか開いていないことはないでしょうか?
洗濯時には蛇口を全開にしないと、マイクロバブルの発生量が減少してしまいます。
故障している
洗濯機にアタッチメントを取り付ける際に破損してしまったなど、故障が原因となっているかもしれません。
マイクロバブル発生装置が金属製でも、取り付ける側の洗濯機のねじは樹脂製ですので、アタッチメントを取り付ける際は慎重に行いましょう。
また、使用中に破損してしまっている場合もあるかもしれませんので、定期的に点検を行ってみましょう。
ナノバブル、マイクロバブルの特徴
ところで、どうしてナノバブルやマイクロバブル水を利用した洗濯機の洗浄力は高いのでしょうか?これらの微細な気泡には、「泡が小さい」「マイナスの電荷を帯電している」という2つの特性があります。
マイクロバブルとは、気泡の直径が10マイクロメートル(1/100mm)~数十マイクロメートル以下の微細な気泡の事です。また、ナノバブルとは、数百ナノメートル以下の気泡の事で、非常に小さく、ナノ単位の泡であることからナノバブルと呼ばれています。
ちなみに、気泡の直径が0.1mm以上の泡はミリバブル、センチ単位の泡はセンチバブルと呼びます。私たちが普段目にしている泡は、センチバブルやミリバブルです。
ナノバブルは目で捉えられないほど小さく、水では入り込めない場所にも侵入できるので、家庭以外でも企業や研究機関など様々な場所で利用されています。
また、ナノバブルやマイクロバブルには他の大きな泡と違いマイナスの電荷を帯電するという特徴があります。水中でこれらの泡が発生しても、マイナスの電荷をもつ泡同士が反発し合い、他の泡のように一つになって大きな泡になることがないのです。
そのため浮力が生まれず、水の中にとどまり続けやがて水の中で消えていきます。反対に、プラスの電荷をもつ物質を引き寄せる性質があり、雑菌や生物由来の汚れに吸着し、ナノバブルが消える際に吸着した汚れも分解してしまいます。「汚れを浮きあがらせて落とす」という言葉の中に、このようなメカニズムがあるのです。
このことから、バイオフィルムに対して、特に高い洗浄力を発揮するので、洗濯において高い効果が得られます。
また、この特性は、家庭での洗濯の他にも、様々なシーンで利用されています。
家事の手間を減らすことができる
ナノバブルやマイクロバブルは、掃除や料理の負担を減らしてくれます。 ナノバブルの小さな泡が、食事の後の食器や食材と汚れの隙間に入り込んで、汚れを浮かせ、落ちやすくします。
凹凸のある野菜などの、土汚れも素早く落とすことができるので、調理時間の短縮にもなります。
また、使った後の水が配管に流れることで、自動的にバイオフィルムを除去してくれます。配水管の中の掃除を負担に感じている方も多いと思いますが、これはとても嬉しい効果ですね。
トイレや洗面台でもナノバブル水を使用することで、バイオフィルムの除去が可能です。毎日水を使うだけで小バエや臭いの発生を抑えられるため、洗濯以外でもナノバブルは大活躍します。
水道代を節約できる
ナノバブルやマイクロバブルを家事に取り入れることで、節水効果もあります。
先に紹介した、洗濯機のすすぎの回数を減らし節水するのと同様に、トイレでの節水効果もあります。トイレの水をナノバブル水やマイクロバブル水にすることで、トイレに汚れがつきにくくなります。そのため掃除の手間を減らすことができ、節水につながります。
その他、掃除に水が必要な様々なシーンで、ナノバブルは時間の短縮と節水を実現します。
また、家庭で使用するナノバブルは、水と空気によって作られるので、電源や外部のエネルギーを必要としません。一度導入すると、ランニングコストがかからないということもメリットの一つではないでしょうか。
まとめ
洗濯水を、普通の水からナノバブル水やマイクロバブル水に変えるだけで、毎日の洗濯の手間が少なくなることがわかりました。
マイクロバブルには、水だけでは水の表面張力により入り込めなかった部分にミクロの泡が入り込むことで、汚れを落とす効果があるので、洗濯に非常に効果的です。
また、洗剤の量を増やしたり種類を変えるなど洗濯洗剤にこだわったり、洗い方にひと手間かけて汚れを落とすという環境負荷や工数のかかることは一切不要なので、環境にやさしい点も魅力の一つと言えます。
さらに、有機溶剤や酸、アルカリなどを使用せず、水道水と空気しか使わないのでランニングコストが非常に安く、省エネ・コストダウン対策としても優秀だと言えるでしょう。
初期費用はかかりますが、沢山のメリットを持つマイクロバブルを、洗濯に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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