キッチンのシャワーヘッドはシンクや排水口、コンロ周りと比べるとあまり汚れがつかないイメージがありますが、しばらく放っておくといつの間にか白いシミのような汚れがびっしりついています。
この記事では、普段なかなか注意していない、キッチンのシャワーヘッドの掃除方法について解説していきます。
キッチンのシャワーヘッドにつく汚れ
キッチンのシャワーヘッドには、食器や手を洗うときに使う洗剤や水滴がつき、それが汚れとなることがあります。
本来、ものを洗うための洗剤や水滴が、なぜ汚れになるのか不思議に思う人もいるかもしれませんね。
実は、洗剤と水滴には汚れの元となる成分が含まれています。
洗剤には洗浄成分を泡立たせるための界面活性剤が含まれており、この成分の一つである油分がシャワーヘッドに付着し、水分が乾燥によって失われることで、白っぽいシミのような汚れになります。
この汚れのことを「石けんかす」といい、洗剤を使う水回りにできる代表的な汚れです。
また、水滴にはカルシウムやナトリウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、水が蒸発するとその部分にはこれらの成分が残り「水垢」という汚れになります。
しばらく掃除をしていないキッチンのシャワーヘッドを見ると、白っぽい汚れが大量についているのをみたことがある人もいるかもしれません。
この白い汚れが、石けんかすや水垢なのです。
水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性洗剤や酸性の性質をもつクエン酸を使って中和させて落とします。
キッチンで発生する石けんかすは基本的には酸性の汚れなので、アルカリ性洗剤や重曹を使うと楽に掃除ができます。
また、どちらも付着してから時間があまり経っていなければ、台所用の中性洗剤を使っても落とすことが可能です。
キッチンのシャワーヘッドの掃除頻度
キッチンのシャワーヘッドは、頻繁に掃除をする必要はありませんが、最低でも月に1回を目安に掃除を行うと良いでしょう。
水垢や石けんかすは、放置すると非常に頑固な汚れになります。
最悪、汚れをヤスリなどで物理的に削って落とさなければならず、シャワーヘッド本体にも大きな負担がかかってしまいます。
また、近年のシャワーヘッドには金属のホースが内蔵されており、その部分にも水垢や石けんかすが発生します。
頑固な汚れがつくと、非常に掃除が難しくなってしまうので、頻繁でなくては良いものの、定期的な掃除は必要です。
キッチンのシャワーヘッド掃除に必要なアイテム
キッチンのシャワーヘッドにつく汚れは、同じくキッチンにある道具で落とすことができます。
ここでは、基本的な掃除道具であるスポンジや雑巾、台所用洗剤以外で、シャワーヘッドの掃除に使えるアイテムを紹介していきます。
重曹
キッチンのコンロや換気扇の掃除に重曹を使っているという人は多いのではないでしょうか?
油汚れや焦げつきに強い重曹は、石けんに含まれる油分によってできた石けんかすの掃除にも有効です。
また、キッチンの消臭にも重曹は使用できます。
キッチンをはじめとした、家庭で発生するあらゆる汚れに効果的なので、まだ持っていないという人はこの機会に重曹を常備しておくことをおすすめします。
クエン酸
クエン酸は、硬い汚れである水垢に効果的な成分です。
水垢の汚れの原因であるミネラル分はアルカリ性の性質をもつ汚れです。
そのため、クエン酸がもつ酸性の性質を利用することで簡単に落とすことができます。
クエン酸は、キッチンの掃除では水垢以外にはあまり使いませんが、トイレに発生する尿石などの汚れに有効です。
洗面台やお風呂の水垢に使うことも考えられ、掃除場所ごとに専用の洗剤を買う必要もなくなるので、掃除のコスト削減につながります。
ラップ・キッチンペーパー
料理で使用するラップやキッチンペーパーは、クエン酸や重曹と組み合わせて使うことで、頑固な汚れを落とすのに役立ちます。
ラップやキッチンペーパーを使った掃除方法は「湿布法」と呼ばれ、洗剤とともに汚れを密封することで、汚れに洗剤を浸透させ洗浄効果を高める方法です。
使い古した歯ブラシ
キッチンのシャワーヘッドはスポンジで洗えますが、内部のホースは蛇腹状になっており細かな部分までスポンジが入り込めません。
そのため、隙間を掃除するための小さめのブラシや、使い古した歯ブラシがあると便利です。
キッチンのシャワーヘッドは、一見するとシンプルに見えますが、近くで見ると意外と隙間や細かいパーツが多いのでブラシを活用して、隅々まで綺麗にしましょう。
キッチンのシャワーヘッドを掃除する際の注意点
キッチンのシャワーヘッドを掃除する際には、いくつか注意点もあります。
誤った方法で行ってしまうと、体に被害が起こることもあるのでしっかりチェックしておきましょう。
塩素系漂白剤と混ぜない
クエン酸を使って水垢を落とすときに最も大切なのは、塩素系漂白剤と混ぜないことです。
塩素系の洗剤と酸性の性質をもつクエン酸を混ぜると、人体に有毒な気体を発生させてしまい、吸い込むと昏倒の危険もあります。
キッチンの掃除では漂白剤を使う機会も多いので、塩素系の漂白剤を使用しているのであれば注意して掃除を行います。
また、万が一に備えるために換気はしっかりして作業をしましょう。
素材に注意
クエン酸には使えない素材もあります。
以下はクエン酸が使えない素材の一覧です。
- 湿気
- 真鍮
- アルミ
- 鉄
- 銅
- 大理石
これらの素材に、クエン酸を使ってしまうと酸化させサビの原因になり、傷めてしまうので、もしキッチンの設備でこれらの素材が使われている場合は、付着しないように注意して掃除を進めます。
クエン酸は2週間で使い切る
クエン酸は水垢に有効で、消臭効果もあるもののその効果は2週間ほどでなくなってしまいます。
粉末の状態であれば使用期間は長いものの、一度水に溶かしてしまうと2週間以内には使い切らないといけません。
クエン酸を水に溶かして洗剤にするのであれば、2週間以内に使い切れる量を作りましょう。
キッチンのシャワーヘッドの掃除方法
シャワーヘッドにつく石けんかすや水垢を落とす方法を、それぞれ紹介します。
石けんかすの落とし方
石けんかすは食器用の中性洗剤を使っても掃除できますが、重曹を使うことで、比較的簡単に落とすことができます。
ここでは、重曹を使った掃除方法を解説していきます。
- シャワーヘッドについた水滴や表面の汚れを乾いた雑巾で拭き取ります。ホースが内蔵されているタイプのものであれば、ホースについた汚れも除去します。
- スプレーボトルに、水100mlに対して重曹小さじ1を入れて混ぜます。
- 石けんかすが気になる部分に噴射して、3分ほどおきます。
- 水を含ませたスポンジやブラシで磨きます。
- 汚れが取れたら乾いた雑巾で水気を拭き取って完了です。
このとき、白っぽい汚れが残ることがありますが、それは石けんかすではなく水垢です。
水垢の落とし方は、これから解説します。
水垢の落とし方
水垢はクエン酸を使って落とします。
普通にスプレーして落とせることもありますが、ラップとキッチンペーパーを用いた湿布法を活用すると、さらに頑固な水垢の除去も可能です。
ここでは、湿布法を踏まえた水垢の落とし方を解説します。
- シャワーヘッドのホースを伸ばし、水滴と表面についた汚れを乾いた雑巾で拭き取ります。
- スプレーボトルに100ml当たり小さじ1のクエン酸を入れて混ぜます。
- 汚れが気になる部分にキッチンペーパーをあて、キッチンペーパーがしっかり湿るくらいクエン酸をスプレーします。
- さらにその上からラップで密閉し、しばらく放置します。クエン酸の湿布法では、時間が伸びるほど洗浄効果が高まります。大体10分以上が目安です。
- 時間が経ったらラップとキッチンペーパーを外し、汚れをスポンジとブラシを使って落とします。
- 水垢が取れたら、雑巾で残った洗剤と水気を拭き取って完了です。
まとめ
キッチンのシャワーヘッドには意外と汚れがついています。
特に毎日キッチンを使って料理をするという家庭では、最低でも月に1回は掃除を行うようにしましょう。
水垢や石けんかす自体は見た目が不衛生なものの、人体には無害です。
ただし、カビや雑菌を発生させる原因になるので、定期的な除去をおすすめします。
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