アクアリウムを楽しむ人にとって、メダカは人気の魚のひとつです。
また、メダカは汚れを発生させにくいことから、初心者でも飼育しやすいことも特徴です。
とは言っても、定期的な水槽の掃除は必要になります。
この記事では、メダカの水槽を掃除する方法について、解説しています。
メダカの水槽を掃除するポイント
メダカを飼育する水槽では、主に以下のポイントを掃除していきます。
- 水槽の汚れやコケの掃除
メダカの水槽内のガラス面に付いた汚れやコケを定期的に取り除きましょう。水槽のガラスに汚れがたまると、水槽の中の状況がわかりにくくなります。メダカに健康被害を与えることもあるので、しっかり掃除しましょう。 - 機材の動作確認とろ過フィルターの掃除
水槽の機材やろ過フィルターの動作を定期的に確認し、必要に応じて掃除や消耗品の交換を行いましょう。 - 底砂の掃除
底砂には餌や排泄物がたまりやすいので、水換えのタイミングで砂を掃除し、水質を清潔に保ちます。専用のクリーナーを使用して掃除します。 - 水換え
メダカの水槽の水換えは慎重に行いましょう。水質や水温が急激に変化することでメダカにストレスを与えたり、水槽内の環境を保つバクテリアが全滅するリスクがあります。また、水温が下がりやすい冬に水換えを行うのはNGです。 - 水草のお手入れ
水草はメダカの生育を助ける大切なアイテムです。水草は成長が早いので、定期的にトリミングしてお手入れします。
メダカの水槽につく厄介なコケ
コケが大量に発生すると、水槽の美観を損なうばかりか、水中の酸素供給を妨げることがあります。
また、コケが水草や水槽の壁面を覆うと、水槽内の光が適切に水草に届かなくなり、水草の成長にも影響を与えます。コケが増えすぎると水質も悪化し、メダカの健康に害を及ぼす可能性があります。
メダカの水槽に発生するコケの種類
- 茶ゴケ (珪藻)
メダカ水槽で最初に発生しやすいコケのひとつで、水槽のガラス面、水草、底床などに茶色のコケとして現れます。ろ過バクテリアが定着することによって、発生しにくくなります。茶ゴケは手でこすって取り除くか、コケを食べる生物を水槽に導入して対処します。 - アオミドロ
アオミドロは糸状のコケで、水中の栄養分が多い状態で発生しやすくなります。手で取り除くのが難しいため、アオミドロを食べる生物を一緒に飼育することが有効です。 - スポット状藻
スポット状藻は、水草や水槽のガラス面に小さな緑色の斑点のような形で現れ、放置すると広がっていきます。スクレーパーやスポンジ、スポット状藻を食べる生物を飼育することで除去します。
メダカの水槽の掃除方法
実際にメダカの水槽を掃除する方法を紹介していきます。
水槽の掃除
ガラス面にコケが生えることで、水槽内が見えにくくなり、水の状態やメダカの健康状態を観察しにくくなり危険です。
また、コケが水面につくというのは、水質が悪くなっているサインでもあります。ガラス面と一緒にフィルターなど、他の部分も掃除しましょう。
ガラス面を掃除するにはいくつかの手段があります。
- 専用スクレイパーの使用
ガラス面のコケを取り除くために、専用のコケ取りスクレイパーを使用しましょう。アクリル製の水槽では、柔らかめのスクレーパーを使うと水槽を傷つけるリスクが減ります。 - スポンジでの掃除
ガラス面をスポンジで掃除する場合は、傷つかないように水が入った状態で行います。ガラス専用のスポンジやメラミンスポンジを使用して掃除するか、水槽用のマグネットクリーナーを使用すると水に手を入れる必要もありません。 - コケ取りクロスの使用
スクレイパーやスポンジの代わりにコケ取りクロスを使用することもできます。柔らかい布を使ってコケをこすると、ガラス面を傷つける心配がありません。 - コケを食べる生物の導入
ガラス面に貼りついてコケを食べる貝類をメダカと一緒に飼育することで、コケの繁茂を緩やかにできます。ヒメタニシやイシマキガイなどが、メダカと相性の良い貝です。
フィルターの掃除
ろ過フィルターは水槽内の環境を一定に保ってくれる、アクアリウムには必須のアイテムですが、使用によって汚れがたまるので定期的なメンテナンスが必要です。
ただし、頻繁に掃除してしまうと水槽内のバクテリアを減らしてしまうため、3カ月から半年に1回を目安に掃除を行いましょう。もしくは水が詰まったときも、掃除が必要なサインです。
フィルターの掃除では、主にろ材の点検を行い、汚れに合わせて洗浄、交換を行います。
- ろ材の洗浄
ろ材が汚れている場合、水槽内の飼育水を使用してろ材を洗浄します。水道水を使用しないように注意しましょう。ろ材をやさしくすすぎ洗いし、汚れや目詰まりを取り除き再設置しましょう。 - ろ材の一部交換
ろ材が目詰まりを起こして水の流れが悪くなっている場合、交換が必要です。特に汚れたものを新しいろ材に交換しましょう。ただし、バクテリアの減少を防ぐために、基本的にはすべてを一度に交換しないようにしましょう。 - ろ材の全交換
pH値が下がってもとに戻らないときは、寄生虫や病気がついている可能性があります。この場合、ろ材を全交換します。バクテリアの数が減少するので、しばらくは水質をこまめにチェックしておきましょう。 - ウールマットの交換
ろ材にウールマットを使用している場合は、汚れが気になったら交換しましょう。高密度のウールマットであれば、2〜3回洗って再利用できます。
ろ材の交換や洗浄が完了し、フィルターをもとに戻したらフィルターの電源を入れて正常に動作するか確認します。フィルターの掃除後は、水質が不安定になる可能性もあるため、水質をこまめにチェックしておきましょう。
砂利の交換
水槽の砂利にはバクテリアが定着し、水の浄化を行ってくれます。
そのため、砂利を掃除しないという人もいますが、汚れた砂利は寄生虫や病原菌の温床となる可能性があるため、定期的な掃除が必要です。
ただし、砂利を水槽から取り出して水洗いするのはNGです。
底砂の掃除には、専用のクリーナーを使用します。クリーナーを底の砂に差し込んで、水と一緒に汚れを吸い出しましょう。
クリーナーを使用すると、水も一緒に抜くことができるため、水換えのタイミングで行うと効率的です。
水の交換
一度に全ての水を交換すると、水質が急変してしまう可能性があります。水質が急激に変わると、メダカにストレスを与えてしまい危険です。
また、メダカは排出物の量が少なく、水を汚しにくい魚です。そのため、2週間に1回、1/3の水を交換することをおすすめします。
水道水を使用する際には必ずカルキ抜きを使用し、指定されている使用料を守りましょう。
水道水にはカルキが含まれており、水の中のバクテリアを減少させてしまいます。反対に、過剰なカルキ抜きの使用は水質を酸性に近づけてしまうので、量が多すぎるとメダカの健康に影響を与えます。
また、冬場には基本的に水交換を行わないようにしましょう。
水温が急激に下がってもとに戻らないことで、メダカが弱ってしまうリスクがあります。
水草のメンテナンス
水草はメダカにとって隠れ家や産卵床として役立つほか、水槽内の酸素供給や水質浄化の役割も持っています。
しかし、水草が成長しすぎると、メダカが泳ぐスペースがなくなってしまうので、伸びすぎてきたと感じたらトリミングしてあげましょう。
水槽全体のレイアウトに注意して、色が悪くなっている部分や、発育不全を起こしている部分、そのほかの余計な部分をハサミで切り取ります。
水槽の掃除は定期的に
メダカは水を汚しにくい魚ですが、定期的な水槽の掃除は必要です。
ガラス面にコケがついたら、ガラス面を洗いフィルター内に汚れがないかチェックしましょう。
水の交換は全体の1/3の量を2週間に1回を目安に交換します。砂利の洗浄では、水を排出するので水交換と一緒に行うと効率的ですよ。
メダカの水槽の掃除では、今ある水槽の環境をなるべく変えないことが大切です。
少しずつ、こまめに掃除してあげましょう。
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