ナノバブルの発生原理とは? 技術や特性を解説

私たちの生活の様々なシーンで役立てられている「ナノバブル」が、ここ数年で家庭にも導入されるようになってきました。

掃除や美容に役立つことは多くの人が知っているものの、ナノバブルがどのようにして発生しているのかその原理についてはあまり知られていません

そこで、この記事ではこれからナノバブルを導入してみたいという人向けに、ナノバブルを発生させる方法とその原理について解説していきます。

ナノバブルとそのほかの泡との違い

ナノバブル以外にも、私たちの生活の周りでは様々な泡が発生しています。

シャンプーを使ったときに出る泡や、炭酸飲料のボトル裏につく泡、お風呂にタオルを沈めて泡を作ったなんて遊びをしたことがある人もいるかもしれません。

これらの泡は、大きさによって分類されています。

目に見えるような大きなものを「センチバブル」や「ミリバブル」といい、それよりも小さなものを「マイクロバブル」そして、現時点で最も小さいものを「ナノバブル」と呼んでいます。

マイクロバブルの気泡は小さく、100μm未満から1μm以上のサイズしかありません。そのため、一つの気泡を視認することは難しいものの、集まると白く白濁したように見えます。

さらに小さいナノバブルは、1μm未満のサイズしかなく目で捉えることはできません。ウイルスと同程度の大きさなので、特殊な機械を用いて観測します。

センチバブルやミリバブルは生活の中で自然に発生することもありますが、マイクロバブルやナノバブルは特殊な装置を使って発生させます。

また、発生させる装置によってそれぞれ違う原理を持っており、生成できる泡の大きさや数、装置の規模が異なります。

マイクロバブル発生方法と原理

マイクロバブルがどのような方法で発生させられるのか、具体的な方法と原理を解説します。

  • 旋回液流式
    生成原理:液旋回流による気泡の破砕
    バルブの中で液体を旋回させ、ガスを加えることによってマイクロバブルを生成する方法。
  • エゼクター式
    生成原理:液路内の圧力の変化による気泡の破砕
    狭い部分と広い部分のある特殊なノズルの中にガスと液体を通し、圧力の変化によって気泡を破砕する方法。
  • 微細孔式
    生成原理:極小のガス分散孔による気泡の微小化
    微細な孔の空いている管にガスを注入し、孔を通過したナノバブルを液体に含ませる方法。
  • スタティックミキサー式
    生成原理:障害物による気泡のせん断
    ガスと液体を複雑な障害物があるノズルに通し、気泡をせん断する方法。障害物の数や複雑さ、圧力によってはナノバブルも生成可能。
  • 加圧溶解式
    生成原理:過飽和気体溶液の急減圧による気泡の析出
    気体を加圧し液体に過飽和で溶解させたのち、急減圧をおこなってマイクロバブルを生成する方法。 ナノバブルも生成可能。
  • 加温析出式
    生成原理:過飽和気体溶液の急加温による気泡の析出
    冷媒によって過飽和状態にある液体を急加温することによってマイクロバブルを生成する方法。
  • 蒸気直接接触凝縮式
    生成原理:蒸気に含まれるガスの凝縮によるガス気泡の微細化
    ボイラーによって発生したガスを含む蒸気を直接水に接触させることで、マイクロを生成する方法。

ナノバブル発生方法と原理

ナノバブルを作るためには、大きく分けてマイクロバブルから生成する方法と、液体から直接生成する方法の2パターンがあります。

  • 高速旋回液流式
    生成原理:液旋回流による気泡の破砕、マイクロバブルから生成
    バルブの中で液体を高速旋回させ、ガスを加えることによってマイクロバブルとナノバブルを生成し、マイクロバブルを分離したのち液中にナノバブルだけを残存させる方法。
  • 加圧溶解式
    生成原理:過飽和気体溶液の急減圧による気泡の析出、マイクロバブルから生成
    気体を加圧し液体に過飽和で溶解させたのち、急減圧をおこなってマイクロバブルとナノバブルを生成し、マイクロバブルを分離したのち液中にナノバブルだけを残存させる方法。
  • 界面活性剤添加微細孔式
    生成原理:極小のガス分散孔による気泡の微小化、液体から直接生成
    微細な孔の空いている管にガスを注入し、界面活性剤を含んだ液体を通過させることでナノバブルを生成する方法。
  • キャビテーション式
    生成原理:液路内の圧力の変化による気泡の破砕
    管内の圧力変化によって液中に含まれる溶存ガスから微細な泡を生成する方法。エゼクター式との違いは、外部からのガスを必要としない点。

家庭に応用されているナノバブル生成装置

これまで紹介してきたナノバブルを生成する方法のなかで、高速旋回液流式は装置が大掛かりになります。

また、電気など外部エネルギーを必要とし、ナノバブルを生成する際に音が出るので日常使いには向きません。清掃業者や製造工場などで使用される洗浄機などに用いられる方法です。

界面活性剤添加微細孔式は、主に農業や漁業などで使われる設備に採用されています。

そのため、一般家庭では、基本的にはキャビテーション式のノズルを使用してナノバブルを生成しています。

家庭用のナノバブル生成装置には、主にシャワーヘッドタイプや、水道管や蛇口に直接取り付けるノズルタイプのものがあり、基本的にはどちらもキャビテーション式を主に採用しています。

中には、マイクロバブルを発生させる加圧溶解式や旋回液流式とキャビテーション式を組み合わせたものや、特殊な改良を加えたエゼクター式やスタティックミキサー式でナノバブルを生成する装置もあります。

シャワーヘッド

シャワーヘッド内にナノバブル生成ノズルを取り付けたもので、ナノバブルやマイクロバブルが一般家庭に広く知られるようになった設備です。

微細な泡が毛穴に入り込み、汚れを落としたり、肌に水分が浸透したりすることで、美容に効果があるという触れ込みで広がっていきました。

主にキャビテーション式を採用しており、中にはエゼクター式を改良したものも販売されています。

ナノバブル生成ノズル

水道管や蛇口に直接取り付けるタイプのナノバブル生成装置です。

水圧のみでナノバブルを生成するため、水道水と変わらない清潔さでナノバブルを生成可能です。

洗濯機に取り付けるタイプや、お風呂場の給湯口に取り付けるもの、水道管に特設設置するものなど様々なタイプがあります。

基本的にはキャビテーション式を採用していますが、中には水圧が落ちたり、水圧の弱い家庭では使えなかったりするものもあります。

家庭用ノズルの注意点

家庭で使用されているナノバブル生成装置にはいくつか欠点があります。

エゼクター式は外部の空気を取り入れる必要があるため、不純物が混ざるリスクがあります。また、その性質上、一部の場所でしか使用できません。

キャビテーション式やスタティックミキサー式は管内の構造によっては、ノズルを通過した後の水圧が変化し、家庭の水圧によっては十分な数のナノバブルを生成できないことも起こります。

しかし近年、少ない水圧で水圧を変えず清潔なナノバブルを生成する『UFB DUAL®︎(ユーエフビーデュアル)』が開発されました。

UFB DUAL®︎はキャビテーションの原理を用いて、独自に開発されたナノバブル生成ノズルです。

水道管に直接取り付けるタイプで、水中や水道管内に含まれている気体のみでナノバブルを生成するため、飲料水として利用もできます。

また、一般家庭の水圧の1/4以下の0.05MPaの水圧でも、5000万個ものナノバブルを生成可能です。

水圧の変化もほとんどないので、一般家庭に先駆け医療クリニックや美容サロンなどで普及が始まっている最新の設備です。

WRITER
    • WDW 編集部
    • 株式会社ウォーターデザインワールド(WDW) 編集部は、当社の製品であるUFB DUAL®の魅力的を伝えるだけでなく、水と健康に関する有益な情報を提供することで、お客様の生活に役立つライフハックを提供しております。

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