お風呂のシャワーヘッドや、洗濯機のノズル部分に取り付けることで、ナノバブルを使用できる機器が人気ですが、どうせなら家中の水を全てナノバブル化したいというニーズも増えてきました。
しかし、家中でナノバブルを使うためにはどのような方法があり、また、どのように活用できるのでしょうか?
この記事では、家中でナノバブルを使うことのメリットや実際の活用方法、導入の方法などを解説していきます。
ナノバブルとは
ナノバブルとは、目に見えないくらいの小さな泡のことで、その大きさはウイルスと同程度の1μm、1mの1/1000の大きさです。
現在発見されている中で最も小さな泡で、私たちが普段使用できるものの中で最小クラスの物質です。
ナノバブルは、その大きさからあらゆる隙間に入り込むことができ、これまでなかなか落とせなかった家中の頑固な汚れを水だけで落とすことも可能です。
例えば、トイレについた尿石などは酸性洗剤を使わないとなかなか落ちませんが、ナノバブルの使用を継続することで、はく離して落ちていきます。
実際に公共施設のトイレの水にナノバブルは採用されており、トイレや排水管内の汚れを落とすことに一役買っています。
また、ナノバブルはマイナス電荷を帯電していることから、水中で発生するとお互いが反発しあってくっついて大きな泡になることがありません。
元々小さい泡なので浮力がなく、水面に浮かばずにしばらくの間水中をただよい続け、やがて溶けるように消えていきます。
この特性から、水中に漂う不純物も吸着できるので、水質浄化にも利用されています。私たちの生活に欠かせない清潔な水を作り出す技術の一つなのです。
ナノバブルは人工的に生成できますが、これまでは設置する機器が大型で家庭用のものは生成できるナノバブルの数が少なかったり、水圧に影響を与えたりして、機能面が不安定でした。
しかし、家庭用のナノバブルを生成する装置が小型化・安定化したことで、家中をナノバブルにするという需要が高まっています。
ナノバブルが活躍する分野
一般家庭でも導入の進むナノバブルですが、すでに様々な分野で使用されています。
家中の水をナノバブルにしたいという需要の背景には、こういった現場でナノバブルの効果が認められていることが理由にあります。
半導体の洗浄
スマホのパーツになる半導体は、ナノレベルの加工によって生産されています。
その過程の中で、不純物が混ざってしまうと正常に機能せず製品になりません。そのため、半導体の加工は無菌室で行われ、生産プロセスの中で都度洗浄を行います。
従来は、半導体の洗浄にはアルカリ溶液を用いていましたが、環境負荷が高いことが問題となっていました。
そこで、半導体と同様にナノレベルの物質であるナノバブルでの洗浄が採用されました。
使用する溶剤の量を減らし、コストダウンと環境負荷の低減に役立っています。
食品加工機器の洗浄
高い清潔性を求められる食品加工機器の洗浄にも、ナノバブルは使用されています。
食材から出る油分が機械に付着すると、細かい隙間にも入り込んでしまい、掃除が難しくなります。
また、水分がたまることで水あかやカビが発生してしまうこともあります。
ナノバブルであれば、細かな隙間に入り込めるので、取り除くのが難しかった油汚れや、水あかの洗浄ができ、カビの発生を防ぐことが可能です。
また、水と空気だけから作られるので、安心して使用できます。
水質浄化
ナノバブルは対象物を洗い流すだけではなく、水中にあるだけで効果を発揮します。
ナノバブルは水中で発生すると、長期間水中に止まり続けるので、生活排水の処理場での水の浄化や、海水の水質改善に利用されています。
水中にただよう不純物やゴミに吸着し、泡によって水中の酸素濃度を高めることで、赤潮の被害から海産物を守ることにも使われています。
さらには、ナノバブルを水槽で発生させることで、海産物を新鮮なまま遠くまで運ぶことができます。
農作物の発育促進
海だけではなく、農業においてもナノバブルは活躍しており、野菜に与える水をナノバブルにすることで、成長が促進されることが実証されています。
農業においては、ナノバブルの泡の中に植物を活性化させるオゾンを含ませて散布し、ナノバブルの小さな泡が、水とオゾンの吸収効率を高め、農産物の発育を促すのです。
また、野菜の栄養となる待機中の有機物を吸着させることから、効率的に栄養を与えられます。
そのため、ナノバブルで作られた野菜は糖度が高く、サイズや色づきも良くなります。
ナノバブルとマイクロバブルの違い
家中にナノバブルを導入しようと考えた際、調べている中で「マイクロバブル」という言葉も見つかるでしょう。
ここでは、ナノバブルと良く混同されることがある、マイクロバブルとの違いについて解説します。
マイクロバブルの気泡はナノバブルより一回り大きく、0.1mm未満、0.001mm以上と定義されています。
マイクロバブルはたくさんの泡が集まると目で見ることができ、水の中が白く濁ったように見えます。
また、ナノバブルよりも浮力が強く、水中で発生したのち7分に10cmほどのペースで上昇し、やがては水面に出て消えるか、もしくは水中で消滅します。
気泡のサイズが大きいので、ナノバブルのように強力な洗浄力は持っておらず、そのほかの用途や効果においてもナノバブルの方が優れています。
もし家中でナノバブルを使いたいと思った際には、その装置がナノバブルを発生させる機器なのか、マイクロバブルを発生させる機器なのか確認してから購入するようにしましょう。
家中をナノバブルにるすメリット
家中でナノバブルを使えることによって、生活のあらゆるシーンが快適になります。
水だけで多くの汚れを落とせるので、洗剤の節約になり、掃除の手間も少なくなるでしょう。
ナノバブルが活躍するシーンを一部紹介します。
キッチンで
家中の水をナノバブルにすることで、キッチンでの食材の洗浄にナノバブルは活躍します。
普通の水よりも食材についた汚れを確実に、そしてスピーディーに落とします。洗浄スピードが上がるので、節水にもつながり毎月の水道代を抑えることも可能です。
さらに、ナノバブルが排水口に流れることで、排水管内の汚れを自然と落としてくれます。
臭いの予防にもなり、一石二鳥です。
お風呂で
お風呂のお湯やシャワーにナノバブルを使うと、様々な効果を得られます。
まずは美容効果です。ナノバブルの小さな泡が毛穴の奥まで入り込み、毛穴にたまった汚れや皮脂を落とし、肌や頭皮を滑らかな状態に導きます。
また、ナノバブルは通常の水と比較して肌への浸透効果が高く、保温や保湿にも効果的です。
お風呂のお湯として使うことで、寒い日も湯冷めしにくくなるでしょう。
さらに、湯船や床の汚れもナノバブルを使用することで簡単に掃除が可能になります。
皮脂や洗剤の汚れが湯船や床につくことを防いでくれるので、掃除の手間が削減されるでしょう。
トイレで
トイレは家の中でも、常に水をためている場所なので臭いやカビが発生しやすい場所です。また、トイレ掃除を苦手としている人も多いのではないでしょうか。
しかし、ナノバブルを導入すれば、毎日の使用の中で自然と汚れを落とせるようになり、掃除の手間を省きながら臭いの予防も可能です。
また、掃除の面倒なトイレタンク内も、ナノバブルを含んだ水をためておくだけできれいに保てます。
トイレタンクは、洗剤を使って掃除してしまうと、内部のパーツの寿命を縮めてしまうのでナノバブルを使用することで、トイレを長く清潔に使用できるでしょう。
洗濯で
ナノバブルの泡が、洗濯物の繊維に入り込むことで、頑固な臭いや汚れを吸着して落とします。
特に、臭いに効果があることがわかっており、タバコの臭いや加齢臭にも効果を発揮します。
さらには、洗濯槽の洗浄もナノバブルだけで可能で、ナノバブルを洗濯機に使った直後は洗濯槽に溜まったカビがごっそり落ちます。
そのため、ナノバブルを導入した最初の洗濯では、洗濯物を入れずに洗濯機を回しましょう。
ペットにも
ナノバブルは水と空気だけを使って作られるので、ペットの洗浄にも適しています。
洗剤を使わなくても十分に臭いと汚れが取れ、間違ってペットがなめてしまっても問題ありません。
もちろん、アレルギーがあって洗剤の利用に制限がある人も安心して利用ができます。
家中にナノバブルを導入する方法
様々な分野で活躍するナノバブルですが、これまで家庭で注目されてこなかったのは、生成装置が高価で大掛かりだったためです。
しかし近年、家中の水をナノバブルにする『UFB DUAL®️(ユーエフビーデュアル)』が開発されました。
家中をナノバブルにするUFB DUAL®️とは
UFB DUAL®️は水道メーターの直後に取り付けることで、家中の水をナノバブルにできるノズルです。
かつては、家中の水をナノバブルにするノズルは、取り付けると水圧が落ちてしまうという欠点がありましたが、UFB DUAL®️は構造の改良によって水道の水圧にほとんど影響を与えることなくナノバブルの使用を可能にします。
このことから、UFB DUAL®️は第三者認証機関から水道機器認証を得ています。
また、一度取り付けると、半永久的に使用できメンテナンスフリーで維持費やランニングコストもかかりません。さらに洗浄に時間がかからないので、年間約2万円以上の節水につながるとも言われています。
水道管内の水と空気を使ってナノバブルを生成するので、非常にクリーンで飲み水にも適しています。
清潔なナノバブルを、安定して家中で使うことが可能です。
設置方法
UFB DUAL®️は一括購入、もしくは月額制で導入が可能です。
日本全国水道管が通っている建物であればどこでも取り付けられ、一軒家だけではなくマンションにも取り付けられます。
取り付けには、水道局の指定する工事事業者に依頼し、指定日に半日ほどかけて工事を行います。
その間は水道を使えないので、洗濯物や必要な家事を済ませておきましょう。
取り付けが完了したら、家中の水道から水が出るか確認して、設置完了です。